一般社団法人栗原青年会議所 2021年度 理事長所信

岸浪 信司

【はじめに】

栗原青年会議所は1971年に全国で469番目の青年会議所として設立しました。過去50年の歴史を紐解いていくと、栗原郡内10町村合併による栗原市誕生、くりこま高原駅開業など、栗原の多くの歴史的出来事の裏には、この栗原青年会議所の運動がありました。昨年創立50周年という節目の年を迎えた本年は3つの柱で進めていきます。

まず1つ目は、栗原青年会議所の新たな地域ビジョンとして掲げられた道州制「栗原州都構想」について会員のみならず地域の行政・企業・市民を巻き込み、共に学び、栗原青年会議所の地域ビジョンを明確に示していく必要があります。

そして2つ目は、来年行われる東北青年フォーラム主管に向けて準備を整えて行きます。東北6県より各地青年会議所の会員が栗原の地へ訪れ、栗原の魅力を東北全土に伝えることができるチャンスの時です。このスケールメリットを最大限に生かし、栗原の魅力である、自然の美しさや交通網の利便性などを発信するためにも、地域企業と連携を図り協力体制を整える必要があります。

3つ目は、若き有権者に向けての取り組みです。2016年6月より施行された選挙権年齢引き下げにより18歳から選挙の投票が可能となりましたが、若い世代の投票率が下がっているという現状があります。栗原市では4月に市長選が行われることもあり、若い世代の参加を強く促すことは、我々青年として取り組むべき運動の一つと考えます。この3つの柱を軸に一つひとつ取り組みを進めていきます。

我々は青年としての力を最大限に活かし、栗原の明るい豊かな未来のために輝き続けます。

【会員の研修】

青年会議所の魅力の一つとして、私が質の高いと感じた学びがあります。私の青年会議所との出会いも栗原青年会議所が主催する講演会に参加したことがきっかけでした。当時学んだことは自身の成長に大きくつながりました。講演の内容だけではなく、同世代の若者が取り仕切る運営の素晴らしさ、一人ひとりの立ち居振る舞いや所作、司会進行の素晴らしさに、私はとても感化され刺激を受けました。

本年度、栗原青年会議所では同世代の若者が必要とする学びを模索し、多くの人を巻き込みながら共に学ぶことで、地域を牽引する人材育成を行っていきます。そして、地域ビジョンとして掲げた道州制「栗原州都構想」について、知識を深め、多くの市民へ伝えられることができる人材育成を図ります。そして、会員一人ひとりの自己成長のため、我々が今必要とする学びを模索し、会員だけではなく、会員候補者を巻き込みながら、同世代の若者が求める学びを行い、ともに成長できる研修を開催します。さらに、東北青年フォーラムがもたらすメリットに対し理解を深めるための研修を行います。

同世代の若者が求める学びが個人の成長へつながり、個人の成長が企業の成長へつながり、企業の成長が栗原の発展へ直結する。時代に沿った質の高い学びが栗原を豊かにすると確信しています。

【未来ある青少年へ】

栗原市の人口は、旧町村が合併した2005年時点の人口が約80000人、わずか15年後の2020年では約66000人まで落ち込んでおり、毎年1000人近くの人口が減少しています。多くの地域で課題とされている人口減少に対し、歯止めが効かない状況がこの栗原でも起きています。人口減少の原因は少子高齢化の影響や、若い人たちの都市部への流出など様々な要因が考えられます。そこで、栗原に住む子供たちには大きな希望がもてる環境を整えていかなくては、この現状を打破することは難しいと考えます。子供たちがこのまちに住み続けたいと思える愛郷心を育むことが大切です。

まずは、本年おこなわれる栗原市の市長選へ、若き有権者である高校生を対象に選挙に興味・関心を向けてもらい地域に対する関心を高めるためにも、我々が取り組むべき運動だと考えます。立候補者へ若き有権者の声を届け、立候補者の声を若い有権者へ届けるために、公開討論会を開催することで、栗原市の市政への関心を高めてもらいます。そして、義務教育が最後の中学生を対象に将来に対する目標を持つ大切さを伝え、小学生を対象に目標へむけて努力を惜しまない強い心を育むための青少年事業を行います。

子供たちが夢や希望を持ち、大きく飛躍していくことは、地域の財産になります。さらに、本気で向き合う大人の存在は必ず子供たちの心に残ります。

未来有能な子供たちの道しるべとなるのは、我々青年の責務と考えます。

【地域のつながりを通した会員の拡大】

会員拡大は同じ志を持つ同志を増やし、この地域で我々の声を伝えるために、もっとも重点的に力を入れて取り組むべき運動です。これまで行われてきた会員拡大は諸先輩方からの紹介や、会員個々の繋がりで進めてきましたが、これでは限界があると考えます。また、栗原青年会議所の会員は、栗原すべての地域にいるわけではありません。これまで繋がりの無かった地域の候補者を巻き込み、会員一丸となって会員拡大に取り組んでいきます。

さらに、来年開催される東北青年フォーラム主管LOMとして、栗原の魅力を東北各地へ伝えるためにも、会員拡大に力を注がなければなりません。若き力で栗原を盛り上げていく、そして、その中心が栗原青年会議所であるために、会員拡大を通して組織の強化を図ります。

また、例年では地元企業の協力のもとジョブKidsスマイルタウンくりはらを開催し、子供たちへ地元企業と関わりを提供し、様々な仕事を体験する機会を提供してきました。しかし、新型コロナウィルスの影響により、今までの生活様式が見直されたことで、従来通りの開催が困難とされています。困難とされることを乗り越え、地域の発展に寄与するため、地域企業と青少年へ向けた事業を行います。

会員拡大を成功させ、この栗原の地域へ貢献する運動を発信します。

【総務としての働き】

青年会議所という名前のとおり、多くの会議を通して一つひとつの議案を精査していきます。会議の参加者が緊張感を保ち、会議に集中できる環境を設える事が大切です。まずは、総会や理事会などの諸会議を適切に行い、会議の参加者が議案に集中できる環境を設け、より良い運動の展開につながる会議の運営を行います。

また、私たち青年会議所の活動は真剣に取り組めば取り組むほど多くの時間をこの活動に費やす事になります。地域を良くし、地域にインパクトを与えるこのJC運動は、素晴らしい活動ですが、家族や会社あっての活動です。私たちは、日々支えられている事を忘れずに、家族の時間や会社での経済活動が疎かにならないようにJC活動に取り組むことが大切です。日本青年会議所では家族の時間を大切にするため「育LOM宣言」と言う取り組みを昨年よりスタートしています。栗原青年会議所でもこの取り組みを取り入れ活動していきます。

また、この青年会議所と言う学び舎を巣立っていく卒業生へ、感謝と尊敬の念を持って送り出すことが、在籍会員からの報恩謝徳となり、卒業生を通して栗原を照らす光を輩出していきます。

【おわりに】

私には一つの夢があります。栗原に住む小さな子供から同世代の人、そして今の栗原を築き上げてきた多くの諸先輩方から「このまちに青年会議所がある限り、栗原の未来は大丈夫だ」と言ってもらいたい。そのためにも、我々は暗闇の海を照らす灯台の光のように、真に明るい豊かな社会へ向け、日々慎み深く正しく行動し、優しさと正直な心で人々と接し、竜のごとくさらなる高みを目指し万進します。栗原に青年会議所がある限り、栗原の未来は永遠に栄えると信じています。

「栗原を照らす光」

それは私たち青年です
子供たちの未来へ
地域の未来へ
若者の未来へ
栗原青年会議所が豊かな未来へ向けた
道しるべとなります